名だたるIT企業が送り出したスマートスピーカー比較
AIスピーカーの特徴と将来の展望を予測
はじめに
Amazon、Google、Apple、Microsoft、LINEとこぞって発売、発表している音声アシスタント機器であるスマートスピーカー。日本の家庭にどの程度普及するのか未知数ですが、名だたる大企業が手を出している音声事業であり、ある程度流行が見られるのではないかと思われます。
そこで、そもそもスマートスピーカーとは何か、ラインナップと、どのようなことができるのかという特徴、比較、今後の予想をまとめてみました。
解説
総称について
- 音声アシスタント
- AIアシスタント
- ホームアシスタント
- 音声対話型IoT
- スマートホームデバイス
など様々な呼び名が広義から狭義まであり混在した時期がありました。
2017年10時点でもまだゆらぎがあるものの、いわゆるスピーカー型の対話型の音声認識が可能なデバイスについては、スマートスピーカー(次点でAIスピーカー)という呼び名に落ち着いたように思います。
スマートスピーカーの種類
未発表も含め、主なラインナップには以下があります。
- Goole / Google Home
- Amazon / Amazon Echo
- Microsoft / Cortana (Invoke)
- Apple / Home Pod
- LINE / WAVE (Clova)
共通する基本機能
基本的に何ができるかというと、以下の機能が共通していそうです。
- 音楽
- 天気
- アラーム
- タイマー
- カレンダー
- ニュース読み上げ
- オーディオブック読み上げ
- ポッドキャスティング
- IoT家電連携
など(※すべての機器で対応している訳ではありませんが、大体のものが共通しています)
比較一覧
先日発売されたGoogle Homeやプロトタイプ版のWAVEを皮切りに、近々発売予定のものばかりで正確にわからない情報もあります。
価格帯はAppleのHome Podが少々高めなこと以外は割りと横並びのようです。
特徴的なのは、ほとんどの機器に対して音楽サービスがあることです。
- Amazon Prime Music
- Google Play Music
- Apple Music
- LINE MUSIC
それぞれ独自の特徴を持つ中で、LINEのWAVEはバッテリー内蔵や赤外線によるリモコン操作など、日本発らしさが出ています。
搭載派生機器
この5つの専用機器以外にも、実はラインナップしたシステムを搭載した派生系のスマートスピーカーもどんどん登場・発表されています。
米国市場の動き
2017年前半の米国市場の動きをみると、Amazon Echoが70.6%と大幅なシェアをもっていることがわかります。それに対し後発のGoogle Homeは23.8%です。しかし今後Google Homeのシェアが拡大する予測が立てられています。
音声アシスタントを月に1回でも利用するアメリカ人の合計は6,050万人おり、これはアメリカ人口の20%に相当する規模だそうです。
世代別では25〜34歳のユーザーだけで、全ユーザーの26.3%を占めています。
使用感の比較
出ている範囲での読み上げに対する感想です。
Amazon Echoの読み上げは、ときどきイントネーションが変で、声が暗い印象です。
反応スピードについては多少の遅さが感じられました。
しかしながら、今までの経緯から、改善に向けての対応は早い印象です。
Google Homeの読み上げはわりと流暢で、応答速度も速い印象です。 ただしコンテンツにより質がまちまちです。デベロッパー向けのガイドラインがしっかりしているAmazonとの違いがそこに出ているかもしれません。
LINE WAVE(Clova) は試作版のため、比較対象にはなりませんが、少なくとも試作版の応答反応はよいものではありませんでした。
今後の日本での普及予想
今後日本でどの程度普及するのか予想します。
ガジェット好きの間だけのブームで終わる恐れもありますが、普及した場合にどのような差別化がされるか勝手に予想してみました。
- 全体的に、音楽サービス利用者はそのままつられる
- Amazon Echoは主婦・シニア層向けに支持され伸びる
- ショッピングやビデオチャット、フォトフレームの利用価値を訴求した積極販売がカギ
- Google Homeは先手有利を大きく効果を得て、その後も連携や機能面・性能面でビジネスマン世代にフィットを続ける
- AppleのHome PodはApple信者がこぞって買う
- LINE WAVE(Clova)はLINE連携(LINEトーク)の機能が加わり、キャラクター性を強くすることで、若い女性層にフィットする
- Amazon EchoやMicrosoft Cortanaは、社内システムや工場、受付などのビジネスシーンである程度活躍する
まとめ
ちなみに筆者は、家族のコミュニケーションと学習目的に一役買ってくれるのではないかという期待をしています。
疑問点をすぐ質問してみるモチベーションになるのではないかと思います。
正しい回答を得られるのはありがたいですが、期待にそぐわなくてもとりあえず聞いてみるという行動になればと思います。例えばGoogle Homeの例ですが、言葉の意味・語源など、Wikipediaを読み上げるらしいということです。
その他、以下のようなものも重宝するのではないかと予想しています。
- ちょっとした計算
- ゲーム終了のアラーム
- 勉強のBGM(Bluetoothの外部出力としてでOK)
- BGMの代わりにホワイトノイズを再生
特にGoogleは強みが活かしやすく、パーソナライズできたり、蓄積情報量がとにかく多いため、アップデート頻度も高く、今後翻訳にも強くなるのではないかと予想します。