次世代画像フォーマットAVIFとは
Android12開発者向けプレビューにてAVIFフォーマットのサポートを発表
画像フォーマット「AVIF」とは
WebP(ウェッピー)の登場により、画像の高圧縮化および高画質化が進化しつつありますが、早くも次世代のフォーマットとして名乗りを上げているのが「AVIF」です。
画像フォーマットは、HEIF(HEIC)やJPEG 2000、JPEG XRなど登場しつつも、プラットフォーム毎のサポートの足並みが揃わなかったり、なかなかJPG、PNG、GIFフォーマットから進化が進まない状態でした。
しかし、2020年9月にiOS 14がWebPをサポートしたことで、統一的な画像フォーマットとしてWebPの定着化が期待されてきています。
ちなみに、WebPはGoogleが開発したJPEG/GIF/PNG(APNG)の良いとこ取りの魅力的なフォーマットです。
JPEGの持つ高圧縮の特徴と、PNGの透過の特徴、GIFのアニメーションの特徴をすべて兼ね備え、弱点をカバーした画像フォーマットです。
WebPの特徴
- 高い圧縮率:同等画質のPNGやJPEGと比較しても、更に20-30%のサイズ削減が可能
- 透過可能:アルファチャンネル(透過)が使用可能
- アニメーションサポート:GIFのようなアニメーションも対応
- 選べる可逆圧縮と非可逆圧縮:JPEGのような不可逆圧縮かPNG、GIFのような可逆圧縮を選ぶことが可能
このWebPよりも優れていると言われるのが「AVIF」です。
AVIFの特徴
- 高い圧縮率:同等画質JPEGと比較すると最大95%以上、WebPと比較しても最大30%ものサイズ削減が可能
- 透過可能:アルファチャンネル(透過)が使用可能
- アニメーションサポート:GIFのようなアニメーションも対応
- 選べる可逆圧縮と非可逆圧縮:JPEGのような不可逆圧縮かPNG、GIFのような可逆圧縮を選ぶことが可能
- HDRカラーサポート:より高い輝度、カラービット深度、色域の設定が可能
つまり、WebPの特徴をもちつつ、更に高画質のまま圧縮率を高め、ファイルサイズを小さくすることができる画像フォーマットです。
しかも、普及を手助けするさらなるメリットがあります。
AVIFは「AV1 Image File Format」の略で、2015年に非営利団体として設立されたAlliance for Open Media(AOMedia)によって開発されました。この団体には世界中の大きなプロモーターが参加します。設立にはAmazon、Cisco、Google、Intel、Microsoft、Mozilla、Netflixが関わっており、2016年4月にARMとNVIDIA、2017年1月にHulu、2017年11月にFacebook、2018年1月4日にAppleが参加しています。
そして、ロイヤリティーフリーの(特許)ライセンスであるということです。
開発がそうそうたる大企業が参加している団体によることと、ロイヤリティフリーで今までの契約や使用料などの障壁をなくしていることは、普及を後押しできる大きな理由になることでしょう。
「AVIF」がAndroid12でサポート
Googleは2021年2月18日に、Androidの次期メジャーOS「Android 12」の開発者向けプレビュー版を初公開しました。
そしてその中で、AVIF画像のサポートを挙げています。
より効率的な圧縮でより高い画質を提供することができ、これにより、JPEGなどの古い画像形式と比較して、同じファイルサイズの画像でも、画質が劇的に向上すると言います。
Android公式の開発ブログに、比較用のJPEG形式とAVIF形式の画像が掲載されています。
AVIF形式のファイルサイズは18.2KBなのに対し、JPEG形式のファイルサイズは20.7KB。
しかしながらJPEG形式に比べてAVIF形式はファイルサイズが小さいにもかかわらず、拡大すると画像がJPEGよりも鮮明であることが分かります。
「AVIF」の変換方法
今のところ、AVIF形式へのコンバートをサポートしているアプリやツールは少ないようです。
その中でも、「Squoosh」というWebサービスが非常に使いやすく、手早く変換できます。
「Squoosh」は、Google Chrome Labが開発した画像圧縮ができるサービスで、AVIFの他にも、WebPやMozJEPGなどにも対応しています。
参考
https://android-developers.googleblog.com/2021/02/android-12-dp1.html