
優れたエンジニアがコミュニティの中でしていること
書籍「優れたエンジニアがコミュニティの中でしていること」はスキルとキャリアを飛躍させる技術コミュニティ活用読本です。その中から、技術コミュニティを戦略的に活用してキャリアアップを実現する方法を、特に重要な3つの活用法を中心にまとめます。そしてはじめに「技術コミュニティ活用法10選」をまとめておきます。
はじめに
社内やチーム内で一目置かれる「できるエンジニア」たち。
彼らは決して、会社の中だけでスキルを磨いているわけではありません。
その多くが、自らの成長の場として積極的に活用しているのが「技術コミュニティ」です。
プログラミング言語やフレームワーク、ミドルウェアなど、特定の技術を軸に集まるコミュニティは、単なる情報交換の場ではなく、スキルとキャリアを飛躍させるリアルな学びの場でもあります。
本書では、そんなコミュニティを活用して成長してきたエンジニアたちの知見をもとに、「技術コミュニティ活用法10選」をわかりやすく紹介しています。
本書で紹介される10の活用法

- 「キャリア設計のお手本」を見つける
- 「アウトプット活動の拠点」にする
- 「ここだけの話」を聞く
- 「コラボレーションの種」を見つける
- 「技術の師匠」を見つける
- 「変革マインド」を鍛える
- 「第三の居場所」を作る
- 「友だちと仲間のいいとこ取り」をする
- 「リーダーの練習」をする
- 普段の世界線に「チャレンジ」を持ち帰る
こんな人におすすめ
こんな方におすすめです。
- 技術コミュニティに興味はあるが、参加をためらっている方
- 参加してみたけど、ROM専(見るだけ)にとどまっている方
- 社外の刺激を得て、成長のきっかけをつかみたいエンジニア
- コミュニティ運営に興味がある方
1.「キャリア設計のお手本」を見つけよう
ロールモデルはなぜ必要なのか?
キャリアの初期段階では、自分がどのような方向に進むべきか、どんなスキルを身につけるべきかが見えにくいものです。
本書では、そんなときに重要となるのが「ロールモデル」の存在だと説明しています。
コミュニティでしか得られない「フラットな出会い」
社内では役職や立場によって距離感が生まれがちですが、技術コミュニティでは肩書きは関係なく、フラットな関係を築くことができます。
これにより、普段は話せないような経験豊富なエンジニアとも対等に話すことが可能になります。
どうやって偶発的な出会いを生むのか
本書では、ロールモデルとの出会いは計画的に作るものではなく、コミュニティ活動の中で自然に生まれると述べています。
重要なのは、積極的にコミュニティに参加し、自分から関わりを持とうとする姿勢です。
具体的なアクションプラン
ACTION 1: 興味のあるトピックの投稿に一言返信してみよう
コミュニティ内で共有されている投稿に対して、一言でもコメントを返すことから始めましょう。これが関係性を築く第一歩となります。
ACTION 2: 気になる「あの人」と1on1をしてみよう
気になるエンジニアを見つけたら、勇気を出して1on1のミーティングを申し込んでみましょう。多くのエンジニアは、後輩からの相談を歓迎してくれます。

事例インタビューから学ぶ
本書には、実際にコミュニティを通じてロールモデルと出会い、キャリアに大きな影響を受けたエンジニアのインタビューが掲載されています。
彼らの多くは、最初は「発表なんて無理だと思っていた」「初対面の人に声をかける勇気がなかった」という、等身大のエンジニアでした。
2.「アウトプット活動の拠点」にしよう
アウトプットの力は絶大!
技術ブログの執筆、勉強会での発表(LT)、OSSへの貢献など、アウトプット活動がエンジニアの成長に不可欠であることは広く知られています。
しかし、「どこで」「どのように」アウトプットすればよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
様々なアウトプットの形
本書では、アウトプットには様々な形があることを紹介しています。
大きな技術記事だけでなく、イベント後のアンケート回答もアウトプットとして価値があります。
運営へのフィードバックも、コミュニティを育てる重要な貢献です。
なぜ「アウトプットの拠点」にコミュニティが適しているのか?
技術コミュニティには、以下のような特徴があります:
- 心理的安全性が高い:失敗しても温かく受け入れてもらえる
- 即座にフィードバックが得られる:参加者から直接反応がもらえる
- 継続的な改善ができる:定期的に参加することで、アウトプットの質を高められる
コミュニティでLTをしてみよう
LT(Lightning Talk:5〜10分程度の短い発表)は、アウトプット初心者に最適な形式です。
本書では、コミュニティでのLTの始め方や、効果的なプレゼンテーションのコツが紹介されています。
具体的なアクションプラン
ACTION: コミュニティに関するテーマでブログを書こう
参加したイベントのレポートや、コミュニティで学んだことをブログにまとめてみましょう。
これは、自分の学びを整理するだけでなく、他の参加者や将来の参加者にとっても価値ある情報となります。
事例インタビューから学ぶ
本書のインタビューでは、「コミュニティでのアウトプットが自分の価値を磨く」という実例が紹介されています。
継続的にアウトプットすることで、社内外での評価が高まり、新しいキャリアの機会につながったエンジニアの事例が掲載されています。
3.「ここだけの話」を聞いてみよう
コミュニティはクローズドな話題の宝庫
企業の公式サイトやカンファレンスのセッションで語られる事例は、多くが綺麗にまとめられたものです。しかし、実際の開発現場では、成功の裏に無数の試行錯誤や失敗があります。
コミュニティでは「本音」が聞ける
技術コミュニティ、特にイベント後の懇親会や、セッション合間の雑談では、公の場では決して語られないリアルな情報が交換されます。
- 成功事例の裏にあった失敗
- 導入技術の本当の課題
- 企業のリアルなカルチャー
- 転職の裏話
情報交換の極意とマナー
本書では、クローズドな情報を得る際のマナーについても触れています。
得た情報を無断で外部に公開しないこと、相手に敬意を払うこと、そして自分も情報を提供するgive and takeの精神が重要だと説明されています。
具体的なアクションプラン
ACTION: リアルな知見が得られる場を探しにいこう
オンラインイベントも有益ですが、可能であれば対面のイベントに参加し、懇親会にも顔を出してみましょう。
そこでの何気ない会話から、本では学べない実践的な知識が得られます。
事例インタビューから学ぶ
本書には、「『ここだけの話』が集まるセキュリティコミュニティの歩き方」というインタビューが掲載されています。
セキュリティという特性上、クローズドな情報交換が重要な分野でのコミュニティ活用法が紹介されています。
その他の重要な活用法
「コラボレーションの種」を見つけよう
コミュニティは一方通行ではなく、双方向の場所です。
個人的な交流が自分を豊かにし、コラボレーションのパートナーを見つけることで、イノベーションの芽が生まれます。
コラボレーションには「長年の経験」は必要ありません。
本書では、試行回数を増やすほどコラボレーションの機会が増えると説明されています。
具体的なアクションプラン
ACTION: 誰かと一緒に何かできないか考えよう
ACTION: 運営メンバーになってイベントを企画してみよう
1「技術の師匠」を見つけよう
「技術の師匠」とは、単なるスキルの指導者ではなく、フラットな学びの関係を築ける相手です。
コミュニティでは、社内では出会えない優れたエンジニアと師弟関係を築くことができます。
レビュー記事によると、本書では師匠との関係性を深める具体的な方法も紹介されています。
2「第三の居場所」を作ろう
自分の可能性は企業の中で見つかるとは限りません。
会社でも家庭でもない「第三の居場所」として、コミュニティは様々な人に気づきを与えます。
本書では、仕事に関係のない話をすることの重要性や、安心して意見を出せる関係作りについて説明されています。
3「リーダーの練習」をしよう
将来マネジメント職を目指すエンジニアにとって、コミュニティはリーダーシップを学ぶ絶好の練習場です。
運営メンバーになってイベントを企画することで、リスクなくリーダー経験を積むことができます。
4コミュニティ活動で持っておきたいマインド
レビュー記事によると、本書では以下のような考え方が紹介されています:
- 「お作法」は必要ないが、「オープンマインド」は必要
- 「正しさ・詳しさ」は必要ないが、「相互理解」は必要
- 「アウトプット」は必要ないが、「アクション」は必要
- 「お金」は必要ないが、「時間」は必要
- 「実績」は必要ないが、「事例」は必要
- 「懇親会」は必要ないが、「好奇心」は必要
まとめ
本書「優れたエンジニアがコミュニティの中でしていること」は、技術コミュニティを戦略的に活用してキャリアアップを実現する方法を、冒頭に挙げた10の具体的な活用法として紹介しています。
その中でも重要だと思うポイントについて詳しく解説してきました。
私もモバイルアプリエンジニアに転職してからは、知見を広げるためにコミュニティに参加してきました。
特にプログラミングや設計のTIPSや新規技術に関するセミナーやLT会に参加して、その後の懇親会に参加するというケースが多かったように思います。
あまり人とコミュニケーションを取ることは得意ではありませんでしたが、会話から知っているつもりでいた知識について新しい気付きがあったり、より深い知識を得るきっかけになった思いがあります。
またLTの発表者と話して、実際発表では成功体験みたいに語っているけど、失敗も多く経験していたりして、そのプロセスを聞くことも学びになります。
皆さん数々の苦労やプロセスを踏んだ上で、発表などの結果をアウトプットしている訳なので、簡単に聞こえる話にも実はかけた時間だけの価値があると言えるでしょう。
コロナ禍からは対面の懇親会があるセミナーめっきり減りましたが、最近はまた対面のセミナーを増えてきました。また、オンラインでのセミナー(ウェビナー)もかなり増えています。
コミュニケーションが苦手な人でも、とりあえずオンラインセミナーを申し込んで空気を掴んでみることをおすすめします。
最後にエンジニアにとってのメリットとしてまとめておきたいと思います。
エンジニアにとってのメリット
メリット
- キャリアの選択肢が広がる - 社内だけでは見えないキャリアパスが見つかる
- スキルアップが加速する - 優れたエンジニアから直接学べる
- 人的ネットワークが構築できる - 転職や協業の機会につながる
- 心理的安全性のある学びの場 - 失敗を恐れずチャレンジできる
- 市場価値を客観的に測れる - 自分のスキルが社外でも通用するか確認できる
- モチベーションが維持できる - 同じ志を持つ仲間と刺激し合える
留意点
- 時間の投資が必要 - コミュニティ活動には相応の時間がかかる
- give and takeの精神 - もらいっぱなしではなく、自分も貢献する姿勢が求められる
- すぐに結果は出ない - 関係性の構築や価値の実感には時間がかかる
技術コミュニティは、傍観者でいるにはあまりにも価値ある舞台です。
完璧なデビューを待つ必要はありません。
行動こそが、あなたを参加者へと変える唯一の鍵です。
本書は、そんな一歩を踏み出すための背中を押してくれる一冊です。
ぜひ手に取ってみてください。
目次
●PART1 コミュニティに参加してみよう
●PART2 コミュニティを活用しよう
●PART3 コミュニティをもっと楽しもう
【内容情報】
優秀なエンジニアは、会社の外で何をしている?
キャリアとスキルを広げる技術コミュニティ活用読本!社内やチーム内で一目置かれる「できるエンジニア」たち。彼らは決して、会社の中だけでスキルを磨いているわけではありません。
その多くが、自らの成長の場として積極的に活用しているのが「技術コミュニティ」です。■技術コミュニティって何?
プログラミング言語やフレームワーク、ミドルウェアなど、特定の技術を軸に集まるコミュニティは、単なる情報交換の場ではなく、スキルとキャリアを飛躍させるリアルな学びの場でもあります。
本書では、そんなコミュニティを活用して成長してきたエンジニアたちの知見をもとに、「10の活用法」をわかりやすく紹介します。■紹介する「コミュニティの活用法」(一部)
・「キャリア設計のお手本」を見つける
・「アウトプット活動の拠点」にする
・「コラボレーションの種」を見つける
・「ここだけの話」を聞く
・「リーダーの練習」をする……それぞれの活用法には、すぐに実践できる具体的なアクションプランを掲載。「明日から試せるヒント」が詰まった一冊です。
■実践者たちのリアルなインタビューを収録!
さらに、技術コミュニティを通じてキャリアアップを実現したエンジニアのインタビューも収録。登場するのは、誰もが最初は“ただの参加者”だった、等身大のエンジニアたち。
「発表なんて無理だと思っていた」
「初対面の人に声をかける勇気がなかった」
そんな彼らが、どのように一歩を踏み出し、自分の可能性を広げていったのか。そのストーリーは、あなたの背中をそっと押してくれるはずです。■こんなあなたにおすすめ
・技術コミュニティに興味はあるが、参加をためらっている方
・参加してみたけど、ROM専(見るだけ)にとどまっている方
・社外の刺激を得て、成長のきっかけをつかみたいエンジニア【著者情報】
酒井真弓(さかい まゆみ)
ノンフィクションライター。IT系ニュースサイトのアイティメディア(株)で情報システム部、イベント企画を経て、2018年フリーに転向。広報、イベント企画、コミュニティ運営、イベントや動画等のファシリテーターとして活動しながら、行政から民間まで取材・記事執筆に奔走している。日本初Google Cloud公式エンタープライズユーザー会「Jagu'e'r(ジャガー)」のアンバサダー。黒須 義一(くろす よしかず)
株式会社 G-gen 上級執行役員 CRO / Olive Goat 合同会社 代表
ブラザー工業にてグリッドコンピューティングをベースとしたコンテンツ配信プラットフォームを事業化。
その後、NTT PC コミュニケーションズでの事業企画を経て富士ゼロックス(当時)やみずほフィナンシャルグループにて CCoE を立ち上げ、マルチクラウド導入と利活用を推進した。
2020年6月よりGoogle Cloud Japanに移籍。
Google Cloud のパートナー事業拡大に携わる傍ら、日本初となる Google Cloud の公式エンタープライズユーザー会「Jagu'e'r」を設立、 5,000名1,200社を超えるまでに急速成長。同ユーザー会のオーナーを兼任しつつ、多数のコミュニティ支援を行う。
2023年10月より株式会社 G-gen 上級執行役員 CRO として Google Cloud 専業SIer の舵取りをおこなっている。宮本佳歩(みやもと かほ)
優れたエンジニアがコミュニティの中でしていること 内容紹介より
株式会社ソルビスCOO。
新卒で外資物流企業での勤務を経て、外資系IT企業へ転職。エンタープライズ営業、新規ビジネスの事業開発、代理店営業を経験。グーグル・クラウド・ジャパン合同会社に参画。代理店パートナーのクラウドビジネス拡大のご支援をする傍ら、Google社内のDEI コミュニティ、Woman Will D&Iプログラムの企画開発・運営など、組織を横断した複数のコミュニティやイニシアティブの立ち上げ、運営支援を行う。イノベーションを起こす組織環境への変革をサポートする「10X Innovation Culture プログラム」を開発。株式会社UPSIDERでHRPRを経て、現在は株式会社ソルビスでCOO。ソルビスが運営するソルビスコミュニティコミュニティーマネージャー。
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