
Github Copilot Agent / Gemini Agent Mode / Gemini CLI / Claude Code それぞれの概念を整理したい
Github Copilot や Gemini のエージェントモード、GeminiとClaude の CLI との違いがわからない

はじめに
このところプログラムを自動生成するAI技術が大幅に進み、2025年6月に大きなリリースやツール化が立て続けに発表されました。
2025年6月4日には、ClaudeのProプランとMaxプランの両方で「Claude Code」を使えるようになりました。
2025年6月25日には、Googleから無料で使用できる「Gemini CLI」が発表・公開されました。
2025年6月26日には、「Geminiエージェントモード」が追加されたプレビュー版「Anndroid Studio」がリリースされました。
同じく2025年6月26日には、Github Copilot Proプランのユーザー向けに「GitHub Copilot coding agent」 がプレビュー版として提供されました。(Pro+プラン以上のユーザーには5月から提供開始)
このように連続的にAIエージェントが発表・提供され大きくIT業界の働き方を革新的に変えるような進化が進んでいます。
その一方、多くのAIツールが提供されることで、用語や概念の整理が追いつかない人も多いようです。
ここでは、これらのAIエージェント・ツールの概念を整理しておきたいと思います。
AI エージェントとは
まず、GithubやGemini、Claudeなどのサービス名とも言える差を一旦置いておいて、もっと広い概念から考えましょう。
「AI Agent (AIエージェント)」
これは最も広範な概念と言えるでしょう。
AIモデル(特に大規模言語モデル:LLM)を基盤とし、自律的に環境を認識し行動することで特定の目標を達成するソフトウェアシステムを指します。
自律性、目標指向性、環境との相互作用、適応性、多機能性、ツール利用能力がその特徴です。
これはプログラムのコーディングに限った話ではなく、Chat-GPTなどを筆頭に一般的に使用するAIの基盤と言えるでしょう。では、コーディングに特化した表現はあるのでしょうか。
「AI Code Assistant/Tool (AIコーディングアシスタント/ツール)」
それがAI Code Assistantと言えます。
「Gemini Code Assist」という名前もよく聞きますが、それがこの概念に当てはまります。
これは、AIエージェントの中でも特定アプリケーション分野であり、ソフトウェア開発ライフサイクル全体で開発者を支援します。
例えば、コード作成、プルリクエストの確認、テストケース作成、バグ修正などを指します。
そして、AIコーディングアシスタントは、そのインターフェースの種類によって大きく2つのカテゴリに分けられます。
AIコーディングアシスタントの2種類のインターフェースとは
AIコーディングアシストは、以下の大きく2種類のインターフェースに分類できます。
CLIベースのエージェント、つまりコマンドラインインターフェース(ターミナル)を介してAIエージェントと対話するツールです。
最小限のUIを提供し、LLMへの直接的なアクセスを可能にします。
AIコードエディター、つまり統合開発環境(IDE)を介してエージェントと対話するツールです。
CLIとは異なり、より対話的であったり見た目にわかりやすい豊富なUIを備えています。
つまり、今回出てきたサービス
Github Copilot Agent / Gemini Agent Mode / Gemini CLI / Claude Codeはすべて、「AI Agent」であり、コーディングに特化した「AI Code Assistant」サービス・ツールであると言えます。
そして、その中でも Gemini CLI と Claude Code は、CLIベースのエージェント、
Github Copilot Agent と Gemini Agent Mode は、AI Code Editorsと、インターフェースの違いがある表現だということです。




今後、エージェントと呼ぶ場合には、上位概念として「AIエージェント」と広くAIを用いたものを思い浮かべる一方で、プログラミング開発を行う現場では、Github Copilot Agent や Gemini Agent Mode のように、IDEに組み込まれる対話型のAIコーディングアシストのことを指すと思えばよいでしょう。
そして、Gemini CLI / Claude Code は、CLIというコマンドベースのインターフェースであるということを思い浮かべる一方、上記のIDEに組み込まれるエージェントから呼び出される基盤となる技術だと考えればよいでしょう。
したがって、Gemini Agent Mode を使うということは、Gemini CLI を使うことと同意なので、個人のGoogleアカウントでログインすれば、Gemini 2.5 Proと100万トークンのコンテキストウィンドウを無料で利用できますが、それぞれで100万トークン使えるわけではなく、合わせて100万トークンということになります。また、プレビュー期間中の制限である、1分あたり60リクエスト、1日あたり1,000リクエストまで無料でというのも合算ということになります。
また、GitHub Copilot Agentについては、AIモデルを切り替えることが可能です。
現段階ではデフォルトのGPT-4.1以外に、以下のようなモデルを切り替えることができるようです。
Github Copilotの場合は、既に契約しているプランの料金に含まれるため、Claudeのライセンスを個人的に持っていなくても使うことができます。

AIコーディングアシスタントの概念
今の内容をまとめたガイドは以下のとおりです。(Claudeにより出力されました)

各ツールの特徴と共通点・相違点の比較表
概念図よりもう少し詳細な部分については、表としてまとめました。
GitHub Copilot | Gemini | Gemini | Claude | |
---|---|---|---|---|
特徴 / ツール | GitHub Copilot Agent | Gemini Agent Mode | Gemini CLI | Claude Code |
カテゴリ | AIコードエディター (GitHub Copilotの機能/モード) | AIコードエディター (Gemini Code Assistの機能/モード) | CLIベースのエージェント | CLIベースのエージェント |
インターフェース | IDE統合 | IDE統合 | コマンドラインインターフェース (ターミナル) | コマンドラインインターフェース (ターミナル) |
利用モデル | GPT-4ベース Claude GPT Gemini など複数のLLMをシームレスに切り替えて利用可能 | Gemini 2.5 Pro | Gemini 2.5 Pro | Claudeモデル(Sonnet 3.5, Opus 4など) Claude Bridge経由でGemini, OpenAI, xAI, Ollamaモデルも利用可能 |
オープンソース性 | プロプライエタリ/商用 | プロプライエタリだが、オープンソースのGemini CLIを基盤とする | 完全オープンソース (Apache 2.0) | プロプライエタリ/商用 |
料金体系 | 有料サブスクリプション 個人向け基本プランは無料 チーム向けは月額$4/ユーザー Proプランは月額$10 Pro+は月額$39 学生は無料 | 個人向けは無料(1日1000リクエストまで) 法人向け有料プランは月額$19.99~ | 個人向けは無料(1日1000リクエスト 1分60リクエストまで) 有料プランあり | 比較的高価 Proプランは月額$17 トークン使用量ベースの課金 リサーチプレビュー版は無料 |
コンテキストウィンドウ | 約100kトークン (GPT-4ベース) | 最大100万トークン(実用上は約100kトークンが最適) | 最大100万トークン(実用上は約100kトークンが最適) | 最大200kトークン (Claude Sonnet/4) |
強み | ・複数のLLMをシームレスに切り替え可能 ・強力なGitHub統合 ・マルチモーダル入力 ・IDEとの深い統合 有料プランでも比較的安価 | ・非常に大きなコンテキストウィンドウ ・コスト効率の高さ(無料ティアが充実) ・MCPのネイティブサポートによる外部ツール連携 ・Googleエコシステムとの深い連携 | ・オープンソース ・非常に充実した無料ティア ・ターミナルでの直接制御 ・大規模なコンテキストウィンドウ ・Google検索連携 ・GEMINI.mdによる柔軟なカスタマイズ | ・プライバシーとセキュリティへの焦点(プロンプトインジェクション対策含む) ・エンタープライズ統合 ・豊富なCLIコマンド ・組み込みメモリ |
制限事項 | ・チャット履歴がローカル保存されるため他PCからの再開不可 ・SSHアクセス不可 ・コードの重複や非効率な生成の可能性 ・大規模コードベースでのテストケース生成の限界 | ・エージェントモードは現在プレビュー版 | ・インターネット接続必須 ・Googleサーバーのレート制限に依存 ・新しいエコシステムのため初期バグやチュートリアル不足の可能性 ・CLIに慣れていないユーザーには威圧的 | ・高価 ・プロプライエタリ ・一部シェル(Zsh)での初期互換性問題 ・リサーチプレビュー版のためバグの可能性 |
ちなみにClaude Code、Gemini CLI、Android Studioの導入方法や検証結果については、以下の記事で紹介しています。
まとめ
GitHub Copilot Agentは、既存のIDEに深く統合され、複数のAIモデルを切り替えて利用できる柔軟性が強みです。特にGitHubとの連携が非常に強力です。
Gemini Agent Modeは、Gemini Code Assist内で提供される機能で、Gemini CLIを基盤としています。
圧倒的なコンテキストウィンドウと、個人利用における無料枠の広さが特徴です。
Gemini CLIは、オープンソースで無料で利用可能なCLIツールであり、Gemini Agent Modeの基盤技術でもあります。
ターミナルから直接、大規模なコンテキストを持つAIを操作できるため、CLIユーザーにとって非常に強力な選択肢となります。
Claude Codeは、高精度なClaudeモデルをCLIから利用できるエージェント型ツールです。
セキュリティとプライバシーに重点を置いており、企業での利用に適していますが、比較的コストが高いです。
これらのツールは、それぞれ異なるアプローチで開発者の生産性向上を支援する「AIエージェント」であり、「AIコーディングアシスタント」という大きな枠組みの中で、インターフェース(CLIかIDEか)や基盤となるAIモデル、料金体系、そして特定の強みにおいて差別化されています。
これで、それぞれのツールの違いと概念的な分類、そして用語について整理できたのではないでしょうか。
個人的には、有料のものは GitHub Copilot のProプランと、Claude CodeのProプランを使っておりますが、GitHub Copilot のモデルの選択肢にも Claudeモデル があるということで、コスト面でClaude Codeをどうしようかと悩むところです。
Claude Code のProプランでは、現時点でSonnet 4モデルしか使うことができず、上位のOpus 4モデルが使うことができません。したがってコーディングにおいては、GitHub Copilotの月間プレミアムリクエストの上限を超えたときなどにしか、別に契約している恩恵をあまり得られていません。
しかし、Claudeの文書整理や資料作成には、Opus 4モデルが使えて、活用もしているため今後どうしようかというところです。
逆にClaudeのSonnetモデルとOpusモデルとでコーディング能力の大きな差があるのであれば、ClaudeのMaxプランも視野に入るかもしれません。
その他GPTやGeminiの動きもあるかもしれませんので、これからのAIエージェントにおける動向は引き続き注目しておきたいところです。

